革小物は、革を裁断して縫い合わせるものだと思っていた。
フィレンツェの伝統工芸を修行するなかで、その考え方は大きく変わった。革は、必ずしも縫わなくても形になる。革の性質を理解し、曲げ、重ね、磨くことで、縫い目のない美しいメガネケースを作ることができる。
その技法に魅せられて、シームレスの革製メガネケースを作り始めた。
革ってホントーに面白いですね!
フィレンツェ伝統工芸のシームレスメガネケース
ものは縫うだけではない
革小物の基本は、裁断・穴あけ・手縫いだと思っていた。
しかしシームレスの技法では、
- 縫い目を使わずに革を立体的に成形する
- 革の厚みや硬さを見極める
- 曲げる方向や力のかけ方を調整する
- 最後に磨いて、ひとつの形に仕上げる
という工程でケースを作っていく。
「ものは縫って作るもの」という思い込みを、きれいに壊された。
一枚の革から生まれる美しさ
シームレスのメガネケースには、縫い目や金具がない。
そのため、
- 革そのものの表情が主役になる
- 曲面やラインが美しく見える
- 切り口や磨きの精度が仕上がりに直結する
- 革がそのまま形になったような印象になる
余計な装飾を加えず、素材の魅力を引き出す。
そこに、シームレスならではの美しさがある。
革を理解していなければ作れない
革は、どの部分も同じ性質ではない。
- 部位によって硬さや伸び方が違う
- 曲げると形がつく
- 力をかけすぎると伸びたり、変形したりする
- 磨くことで表面や切り口の表情が変わる
シームレスの作品は、縫製でズレを隠したり、調整したりすることが難しい。
革の状態と加工精度が、そのまま完成度に表れる。
だから難しい。だから面白い。
本場の技に魅せられた
革はこんなに馴染む
革は、完成した瞬間が終わりではない。
使い続けることで、
- 手の温度に馴染む
- 持ち方や収納物の形が刻まれる
- 少しずつ柔らかくなる
- 傷や艶が自分だけの表情になる
新品の状態から、使い手と一緒に変化していく。
シンプルなシームレスケースだからこそ、革が馴染んでいく過程をより強く感じられる。
革は磨くもの
革は、切って形を作れば完成というわけではない。
- 切り口を整える
- コバや表面を磨く
- 曲面のラインを確認する
- 触ったときの質感を整える
シームレスの作品では、縫い目や金具で視線をそらせない。
細かな仕上げの差が、作品全体の印象を大きく左右する。
革小物を作るようになってから、革製品を見るときも、形だけでなく切り口やコバまで気になるようになった。
日本とどこか似ている工芸の考え方
フィレンツェの技法を学んでいると、日本のものづくりと近い考え方を感じることがある。
- 素材の性質を理解して生かす
- 余計な装飾を加えない
- 細部まで丁寧に仕上げる
- 長く使うことで味わいが増すものを作る
文化や技法が同じというわけではない。
それでも、素材と向き合い、手を動かし、時間をかけてものを作る姿勢には、どこか共通するものがあるように思う。
革の面白さを知る
シームレスのメガネケースを作り始めて、革に対する考え方が変わった。
革は、
- 縫うもの
- 曲げるもの
- 重ねるもの
- 磨くもの
- 使いながら育てるもの
でもある。
「縫わなければ壊れない」というのは、あくまで僕個人の考えだ。
縫製品には縫製品の強さがあり、シームレスにはシームレスの難しさがある。
それでも、縫わずに革を形にするという発想は、僕にとって大きな発見だった。
革ってホントーに面白いですね。
さよなら、さよなら、さよーなら。
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