菱ギリ vs 菱目打ち:音・穴の大きさ・アール処理で検証してみた

菱ギリ vs 菱目打ち:音・穴の大きさ・アール処理で検証してみた

菱ギリがあればいいと思った話
穴あけ道具をいろいろ試してたどり着いた結論

レザークラフトを続けていく中で、いろいろな穴あけ道具を試してきた。
その結果、今の自分にとっては「菱ギリ1本でいい」と思うようになった。

もちろん、これは万人にとっての正解ではない。
でも、少なくとも自分の作業スタイルでは、菱ギリがいちばん自由で、いちばん効率がよかった。

菱ギリは一目ずつ穴を開ける道具なので、ぱっと見では非効率に見える。
けれど、切れ味がよく、慣れてくるとサクサク進む。
菱目打ちで木槌をポンポン叩いている間に、むしろ菱ギリのほうが早いのではないか、と思うこともある。

菱目打ちで感じた非効率さ

最初は菱目打ちを使っていた。
レザークラフトを始めた人にとっては、かなり一般的な選択肢だと思う。

ただ、使い続けるうちに、どうしても気になる点が増えてきた。

  • ピッチの調整がしづらい。
  • 木槌を使うのでとにかくうるさい。
  • 菱目の穴が大きい。
  • アール部分の処理が難しい。

もちろん、菱目打ちにも良さはある。
だけど、作業しているうちに「これ、毎回ちょっとずつ不便だな」と感じる場面が多かった。

特に気になったのは、穴の大きさと音だ。
穴が大きいと見た目に影響するし、木槌の音は想像以上に響く。
個人で作業している人ほど、このストレスは積み重なりやすい。

菱ギリの強さ

菱ギリは、そうした不満をかなり解決してくれる道具だ。
一個ずつ穴を開けるので、一見すると手間が増えるように見える。
でも実際は、切れ味がよければかなり速い。

革にスッと入って、サクサク抜けていく。
この「抜け感」が気持ちよくて、思っている以上に作業が進む。

菱目打ちで木槌を使ってポンポンやるより、体感ではかなり早い。
しかも、音が圧倒的に静かだ。
これだけでも、個人で作業している人には十分に価値があると思う。

叩く音は小さいつもりでも、意外と響く。
夜や住宅環境によっては、これだけでかなり気を使うことになる。
その点、菱ギリなら静かに作業できる。

ピッチの自由度

菱ギリの大きな魅力は、ピッチに縛られにくいことだ。
菱目打ちだと、最初に決めたピッチに合わせて進める必要がある。
でも菱ギリなら、ディバイダーで線を取っておいて、必要に応じて微調整できる。

「ここは少し間を詰めたい」
「この位置だと収まりが悪い」
そんなときも、穴の位置を柔軟に調整できるのが便利だ。

製作していると、図面どおりではきれいに収まらない場面がある。
そういうときに、道具側で融通がきくのは本当に助かる。

アール処理のしやすさ

アール部分は、菱目打ちだとけっこう難しい。
まっすぐな部分はまだよくても、曲線になると急に難易度が上がる。
穴の角度が崩れたり、間隔が微妙になったりして、仕上がりに差が出やすい。

その点、菱ギリは一目ずつ確認しながら進められる。
だから、アールの感覚をきれいに合わせやすい。
穴の角度も調整できるので、曲線部分にかなり強い。

もちろん、これは慣れが必要だ。
でも「難しいけれど便利」という性格の道具だからこそ、使いこなせると仕立ての幅が広がる。

ミシンという選択肢

効率だけを考えるなら、たしかにミシンのほうが速い。
本気で量をこなすなら、菱目打ちよりもミシンのほうが合理的だと思う。

ただし、ミシンはミシンで別の技術が必要になる。
機械の選定、セッティング、縫い方、メンテナンス。
手縫いとはまた違う世界がある。

自分も、いずれは挑戦したいとは思っている。
でも今のところは、手縫いがいちばん効率がいい。
道具の自由度、作業のコントロールしやすさ、仕立ての感覚まで含めると、まだ手縫いに軍配が上がる。

手縫いが好きな理由

手縫いをしていると、意図が切れづらい。
この感覚はうまく言葉にしづらいけれど、作っている途中の判断がそのまま作品に反映される感じがある。

一目ずつ開けて、一目ずつ縫う。
その流れの中で、作り手の癖や考え方が自然に出る。
だからこそ、手縫いには面白さがある。

菱ギリは、その手縫いの自由さを支えてくれる道具だと思う。
効率だけでなく、作品の雰囲気や仕立ての精度にも関わってくる。
そう考えると、かなり重要な存在だ。

菱ギリを使う意味

菱ギリは、最初から「これが正解」と見えにくい道具かもしれない。
でも、使い込むほどにメリットが見えてくる。

  • 静かに作業できる。
  • ピッチを柔軟に調整できる。
  • アールに対応しやすい。
  • 穴の角度をコントロールしやすい。
  • 大きすぎない穴で仕立てやすい。

こうして並べると、かなり万能に見える。
もちろん扱いは簡単ではないし、慣れも必要だ。
それでも、自分にとっては「面倒だけど便利」な、かなり頼れる道具になっている。

まとめ

色々試した結果、穴あけグッズは菱ギリ1本でいい。
少なくとも、自分の作業スタイルではそう感じている。

菱目打ちが悪いわけではない。
ただ、音、穴の大きさ、ピッチ、アールの難しさを考えると、菱ギリの自由さはかなり魅力的だ。
効率だけを追うならミシンという道もあるけれど、今の自分には手縫いと菱ギリの組み合わせがしっくりきている。

結局のところ、道具選びは「何が一番速いか」だけでは決められない。
自分が気持ちよく、無理なく、納得して作れるかどうか。
その意味で、菱ギリはかなりいい答えだった。

したっけねー。


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